黒豆で造るお醤油
お醤油の原材料は、大豆と小麦と食塩。
特に重要になるのが旨味の宝庫である大豆。
このように一晩水に浸けて蒸して使う。
家庭で夕飯のために蒸すのと違うのは、まずはこの量だろう。
1回で数百キロ〜数トン蒸し上げる。
そして、炒って引き割った小麦と合わせて、種麹をかけて室(むろ)に入れて「麹」にしていく。
醤油のまちで生まれ育った私にとって、この光景は日常茶飯事。
が、この日の光景は違った。なにせ……黒い。
黒い
わぁぁ、黒いのがどんどん出てくる。
室の中もやっぱり黒い…。
実はこれ、黒い大豆。つまりあの高級な黒豆。
ヤマロク醤油の「菊醤」という濃口醤油は、通常の黄色い大豆ではなく黒豆を使って仕込みます。
一般的には黄色い大豆を使うので、この真っ黒な光景は滅多に目にできません。
黄色い大豆に見慣れた私にとって、おびただしいほどの黒豆が出てくる様子はロックやパンクな世界に見えました。
もしかして一般的に食卓で目にする黒豆の量からすると、一生分見たんじゃ…。
ちなみに、黒豆を原材料に醤油を仕込む蔵元は、非常にレアながら他にもあります。
ヤマロク醤油さんの黒豆で造る菊醤の特徴は、他の黒豆で仕込む醤油と比べて旨味が強い印象(個人談)。
一般的な黄色い大豆で造る醤油と比べると、キリッと輪郭ある香りと、初めにしょっぱさがきて、最後に甘みが残る印象(個人談)。
非常に好評なお醤油なので、味わったことがないかたはぜひ試してみてください。
kelly