きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

小豆島で輝く女性の「きれいなもの」がいっぱい!

島仕事

オリーブでオリーブを育てる(循環農法)

大量のオリーブの枝葉
ヤマサン醤油さんのオリーブ農園に行くと大量の枝葉が!
これ、なんだと思いますか?
早速3択。
(1)廃棄される枝葉
(2)どうしようかなーと、とりあえず置かれている枝葉
(3)肥料(加工中)
半年ほど前にこの現場を見たとき「捨てられるんですか?」と質問して違いました。
そして失礼ながら(2)を選んでみたら違いました。なんだろ?
答えが(3)肥料(加工中)であることがしばらくしてわかりました。
大量のオリーブの枝葉
ふと「うちの農園は『バイオセーフ』しかあげてないんですよ」という言葉が脳裏に浮かび
「そういえば、一般的な農園では与えている『窒素・リン酸・カリウム』は与えなくても大丈夫なんですか?Vicia(マメ科の植物)が生えているので『窒素』は与えられるかもしれないのですが、『リン酸・カリウム』は足りているのでしょうか?」
と質問すると、しばらく間を置き
「与えていますよ。黒島さんも見たあの大量の枝葉ですよ」との答えが。
…あの枝葉?
大量のオリーブの枝葉
そう、実はこの枝葉が『リン酸・カリウム』の元なのです。
簡単に説明しましょう。
どこをどう見ても枝葉にしか見えないものが、どう『リン酸・カリウム』の元になるのか。
米糠で菌を培養
(1)米糠で菌を培養されます
鶏糞+米糠で培養した菌+オリーブ
(2)鶏糞+米糠で培養した菌+オリーブの枝葉を混ぜます
鶏糞+米糠で培養した菌+オリーブ
(3)50℃くらいに保ちます
※放っておくと70℃くらいになり菌が活動しすぎてとたんに活動を止めるようになってしまします。
鶏糞+米糠で培養した菌+オリーブ
(4)2日ほどたつと温度は30℃ほどに落ち着き、肥料の元ができあがり。
鶏糞+米糠で培養した菌+オリーブ
(5)枝葉の間に肥料の元を敷き、ミルフィーユのように何層も重ねていきます。
できあがった肥料
(6)幾年もの歳月がたつと枝葉は分解され、肥料のできあがり。
腐った木
この1連の流れの中でとても気になることがありました。
仕込み中の枝葉の間にオリーブ以外の枝葉も挟まれていましたが、なんと腐っています。しかし、オリーブは全く腐っていません。
オリーブの抗菌作用によるものかもしれませんし、固いことがポイントになるのかもしれません。
さらに、枝葉のどういった成分が『リン酸・カリウム』になり、市販されている『リン酸・カリウム』とどう違い、更に『リン酸・カリウム』以外の成分の利点などはないのか興味は尽きません。
いずれにせよ『オリーブの廃棄部分ゼロ』になっていること『オリーブの栄養をオリーブから作る』ことは注目すべき取り組みでしょう。
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次回は新たな別の循環農法に取り込む農園をご紹介します。

kelly