きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

小豆島で輝く女性の「きれいなもの」がいっぱい!

クリエイター

島の産業をつなげていく


「小豆島の醤油はね…」。島のこと、特に『醤油』『オリーブ』の話題になると急に生き生きと話しだす黒島さん。醤油とオリーブオイルのソムリエであり、デザイナーである黒島さんは『伝える』ことに余念がありません。
小豆島生まれの黒島さんは、美術を学ぶため大学進学を機に、島を出ました。元々は小豆島に戻る気はなかったそうですが、学生時代、物を作る上で、自分の積み重ねてきた要素でしか物は生まれない、という思いのもと、自分の根っこを探すために、小豆島を改めて調べにきました。大学の卒業制作では、島に役立つものをと、「醤の郷」のサイトを立ち上げました。その後、東京や高松のデザイン会社に勤める間もずっと小豆島に関わり続け、約1年半前に島に戻り、本格的にフリーランスとして活動を始められました。「島の産業を盛り上げる」それを一生の仕事にと決心した黒島さんの情熱とは?

Q1.あなたの普段していること(仕事内容など)を教えてください。

Web&グラフィックデザイナー醤油&オリーブオイルソムリエという肩書きで、フリーランスとして活動しています。
デザイナーとしては、単にビジュアルをデザインするだけでなく、クライアントの企業にしっかりと入って、その企業のブランディングから関わり、企画づくりも一緒にします。基本的に、私に依頼を下さる企業さんは、チャレンジしたいという気概を持たれているので、そのやる気の「点」をつなげて「面」にし、地域をリデザインすること。他には、オリーブオイルに関するセミナーや、醤油蔵やオリーブ農園の案内をすること、醤油や、島に関する執筆等しています。私の仕事って、少し概念的にはなりますが、ひとことで言うと「情報デザイナー」だと思っています。情報をうまくつなげることで「小豆島の産業の発展」をさせていきたい。私の持つスキル、グラフィックやWebのデザイン、醤油やオリーブオイルのソムリエというのは、あくまでもツールであり、それを駆使して、島の産業を盛り上げて、結果的には島の産業から「お金を生み出す仕組み」をつくりだし、中の人も外の人も島に可能性を感じるようになればと思っています。

Q2.今、がんばっていることを教えてください。

『頑張る』という意味ではまずは目の前のあることを精一杯やって数字を出すようにしています。
ただ、大きく捉えると私は『未来を作る』仕事をしているので、『頑張る』というより、突き詰めきった中で『無性にワクワクしてくる』を大切にしています。どうも『頑張らなきゃ』って思いすぎると足が止まって相手に迷惑をかけるので(笑)
また、今回のプロジェクトのようにボランティアでやる時は、私もメンバーも『頑張る』意識が湧かないくらい参加したくなる状態にしたいですね。

Q3.今後の目標を教えてください。

私、元々は、島を出たくてたまらなくて、進学を機に、もう戻らないという気持ちで、小豆島を出ました。大学では、美術を学びましたが、作品を作る中、結局は、自分の中の要素でしか作品は作れないのだと感じ、自分の根っこを探しに小豆島に戻ってきました。そして、島で活躍されているさまざまな人と出会い、お話をさせて頂きました。色々な人に取材させて頂きましたが、当初は醤油屋さんには、話を聞くことはありませんでした。というのも、私の家は、元々醤油業を営んでいて、醤油蔵も親戚が多いんですね。親戚の多い地元の醤油業の人に取材だなんて、照れ臭くて、する気はさらさらありませんでした。でも、色々な人と話をしていく内に、自分の根っこを探るには、醤油は避けて通れないと感じるようになりました。そして、醤油屋さんの話を聞くと、その取り巻く環境は、決して楽観的にはなれないものだった。売り上げが下がり生計が成り立たない、跡を継ぐ人間もいない、誇りをもてないでいる、そういう話が多くありました。しかし、醤油業は小豆島の主幹産業であり、島の未来を築く要です。今の状況を打開するには、第一に醤油業を営む人の生活のベース、つまり、生計を立てる仕組み作りが、重要だと考えました。そして、醤油を作る人は、その技術においては一流でも、売ることやPRは苦手だということ、また、一般の消費者と製造の現場との間に、ギャップがあり、例えば、この醤油はこういう料理に合う、という情報すら発信できていない、というような問題点が浮き上がってきました。だから、それらの問題点をクリアし、「お金を生み出す仕組み」をつくることが大事だと思い、それこそが、私の一生の仕事だと、その時に決心しました。そうして、島に戻る決心をしましたが、卒業後はまず、東京のデザイン会社に三年間勤めて修行し、その後、高松のデザイン会社を経て、一年ほど前に小豆島に戻り、活動を開始しました。私の活動の根本のテーマは島の産業発展です。島の産業は、歴史を守りながらも、変化が必要で、今、突破口を探して、摸索しているところだと思います。私が今、行っている活動を通じて、周りを巻き込み、何かを変える革命の「火付け役」になれたら、と思います。私個人が発信する情報の影響力というのは、小さいけれども、色々なところとつながることによって大きな歯車になりたいと思います。具体的に「これ!」ということは、まだみつけられていないのですが、今、こうして色々な活動をしてさまざまな人と出会うことで、現場=小豆島を拠点として、これから大きな波を起こしたいと思っています。

Q4.あなたにとって、小豆島とはどんな場所ですか?

ちょっと変な表現かもしれませんが、小豆島って、「身の丈」が分っている場所だなと思うんです。情報があふれている都会と違い、情報が限られていたり、海で区切られていることから、「自分が今どこにいるのか」ということが、自然と島に住む人は分っているのだと感じます。また、小さい島ということもあって、チャレンジするときに動かしやすい島だとも感じています。東京にいるときは、島を変化させるのに、何ができるかアイデアが浮かばなかった。でも、小豆島に戻ってきて、出会いたい人が寄ってきてくれるようになったと思います。自分にとってとても貴重な出会いに、不思議と恵まれるようになったんです。現場にいる大切さというのをとても感じますし、自分自身もしっくりくる。今後も、小豆島でしかできない活動をしたいと思います。だから、私にとっては、現場であり、出会いの場であり、活動の拠点です。

Q5.あなたのとっておきの小豆島の『きれいなもの』教えてください。

美しい瀬戸内海を眺めることができる、「瀬戸の浜」や「碁石山」がとっておきのスポットです。
「瀬戸の浜」は子どものころ、「恋話」とかちょっと人に聞かれるのは気が引ける話をする時に友達と行ったり、夏には暑さに堪らず飛び込んだりとキラキラした思い出がいっぱい詰まった場所です。
「碁石山」は島外からお越しになった方と、島案内の締めくくりとして夕暮れに行きます。何度見ても感動する景色です。
あと、島の東側(福田方面)で見る朝日からはとってもエネルギーをいただきますよ。

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