きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

小豆島で輝く女性の「きれいなもの」がいっぱい!

クリエイター

オリーブで染める小豆島の色


「これ、全部オリーブから生まれた色なのよ」。
高木さんの手元に並んだ色とりどりの糸をみて、「え!これ全部!?」と驚かずにはいられませんでした。ただそこに佇む「糸」なのに、とてもとても優しく美しくて目が離せなくなります。
小学校6年生の時から染めることに強い興味を持っていた高木さん。
大学の被服コースを経てアパレル会社に勤め、約15年前に独立して染色を始めました。初めは染められるということだけで嬉しく、化学染料で染めていたのですが、元々ナチュラルなものが好きだった高木さんは約10年前に化学染料をやめて草木染めを始めました。そして、小豆島が故郷ならば『オリーブ』だと思い、7年前にオリーブ染めを始めました。そして呼び寄せられるように4年前に小豆島に戻って『オリーブ染工房 木の花』を立ち上げました。
とても前向きで生き生きとした高木さんの雰囲気に包まれていると、糸や布を染めているのはオリーブだけではなく、輝かしい高木さんの色だと感じました。

Q1.あなたの普段していること(仕事内容など)を教えてください。

オリーブで糸や布を染めたり、服や小物などを作ったりしています。
仕事の流れは大きくわけて2通り。
月の1〜15日までは10時から日が暮れるまでお店を開け、服や小物などを作ったり、お越しになった方とおしゃべりをしています。そして残りの半月を使って集中して一気に染めています。
また、オリーブ公園や公民館から依頼があって教室を開くこともありますし、天満屋さんなどでイベントを行ったりもします。
休みは…滅多にとってないですよ。染める日は朝4時半からやったりしていますし、夜も遅くまで作業をしていることも多々あります。なんだかずっとやっていますね(笑)

Q2.今、がんばっていることを教えてください。

染の研究です。大阪などあちこちに行って勉強をし、可能性を広げていきますよ。今ここにある色も簡単にできた色ではなく、何度も悩み、失敗してやっと表現できました。失敗することは必要なんです。失敗から生まれた色もあります。自然の素材を使って春夏秋冬それぞれの環境の中で作っていくので、一度出会った色にもう一度出会うことはありません。例えば栄養を蓄えようとしている冬から春にかかる時は濃く染まりますし、これから夏にかけては薄く染まります。『季節』までもが色になるんですよ。
もちろん『草木染め』の基本的な技術で出てくる基本の色だけでもじゅうぶんきれいです。でも、私は島の自然の色を表現したいんです。きらめく夏の海、深く青い冬の海、春の萌黄、寒霞渓の紅葉、熟したオリーブ…。もっともっと表現したいですね。オリーブで表現された島の色を身につけて笑顔になってくれる。素敵でしょ。

Q3.今後の目標を教えてください。

オリーブ染めをきっかけに島に人が訪れるようになればなって。
石見銀山を拠点に活躍なさっている『群言堂』さんという人気の服飾店があります。その『群言堂』さんを求めて女性客がわざわざ足を運んでいるんですよね。旅行会社がツアーを組んだりするくらい。私の『木の花』もそうなりたいなって思います。
『木の花』を求めて人が来て、オリーブ染めを体験して宿泊して小豆島のあちこちに行って帰る。そうなると小豆島が潤います。私の工房でも人が集まるようになったらもっと広いスペースを借りて体験できるようにしたいと思っています。県外の人が島のオリーブで染まったものを身につけてくれるようになるのも島にとっていいことだと思うんです。
今の私は島に恩返しをしなければならない。例えば原料になるオリーブの葉も島のオリーブ栽培をしている方がすぐに煮出せる状態にまで葉を切り出して用意してくれています。また、お店に来てくれる地元の方からも刺激を受けたり教えてもらうことがたくさんあります。これからは私がって思いますね。

Q4.あなたにとって、小豆島とはどんな場所ですか?

居心地のいい所です。自分が自分でいれる場所。そのままの自分でいられます。
私は約35年ぶりに帰ってきたのですが、地元の方はすっと私を受け入れてくれました。おかげで私は飾らない自分でいられています。

Q5.あなたのとっておきの小豆島の『きれいなもの』教えてください。

やっぱりオリーブ染の色です(笑)。島のすごいところはどこに行ってもきらめく海や空や草木などのきれいな色があること。島の色で染まった糸はやっぱりきれいだなって思います。
そして特に好きな風景は大部から吉田に行く時に通る道から見る金ヶ崎辺りの湾の風景。心から癒されますよ。

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kelly