きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

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大部地区の愛され醤油屋さん

小豆島の北側「大部地区」にはお醤油屋さんが3軒あります。
その3軒ともが創業から100年以上も経ち、お客様との関係も長くて近く、そして基本の味は甘口です。
「私がお母さんように作ろうとしたら、この醤油の味じゃないとできんのや。」「もう、うちの家族は代々100年以上ここのを使いよるで。」と、使っている方から何度も聞きました。

私は大部のお醤油屋さんには人とのあったかさが溢れているのが好きで、いつまでも思い出話を聞きたくなります。そして、お醤油だからこそ、あったかい人間関係が続くんだなって実感しています。


例えば「ヤマトイチ大森醤油醸造所」さん。
弘化元年(1844)創業。家族で営み、備前地区を中心に1軒1軒の醤油を手渡ししている蔵元です。
こちらは、醤油を届けた時に必要としていることがわかり、なんと時には酒屋もしたり、ギフト屋やクリーニング屋もしたりと、その時々のいろんなサービスを取り入れています。こちらの蔵人で印象的なのは気持ちのいい笑顔。届け先とのあったかい会話が想像できます。


更に傍にある「富士大醤油」さん
約100年ほどの風格ある建物の中で杉桶で仕込み創業より「家島」を中心に販売しています。
家島の大半の方が「醤油なら富士大醤油」と定着し、家島出張所では、働き手3人中1人が家島に住んで毎日いるほど。富士大醤油さんのHP内のほとんどが家島の情報で、まるで家島の情報サイトのよう。家島の人口が減っても醤油が必要なことは変わらず、今も家島を大切にしています。


そして、「やまひら醤油」さん。
107年も造り方変わらぬ醤油を瀬戸内海の島々で船で運んで、1軒1軒手渡ししている蔵元です。
107も届け続けているので島々の方はやまひらさんを親戚のように迎え、身の上話が始まります。「もう昔っからずっと届けよるから、どこの家が何本必要になっとるかわかるんや」とあらかじめ注文を取ることなく届けに行き、お醤油があまり減ってなかったら「お母さん体調悪いんか」「そうなんや」としばらく話すことも。醤油をきっかけに欠かせない絆が築かれているのがわかります。

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醤油が日常に欠かせない存在だからこそ、届けてくれるお醤油屋さんのとあったかい関係が築かれ、あったかい関係があるからこそ、今日もお醤油を使う。お醤油を使ってできた料理は“おふくろの味”となり、子供達にとって忘れられない味となる。こんな何気ないけど大切なことが100年以上も繰り返されています。

kelly