きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

小豆島で輝く女性の「きれいなもの」がいっぱい!

島仕事

修行現場レポート【木桶職人復活プロジェクト】


こちらは「木桶職人復活プロジェクト」の修行現場。
場所は仕込み用の大桶を唯一作れるのは大阪の堺市にある「藤井製桶所」です。
「木桶職人復活プロジェクト」の小豆島メンバー3人が、3日間藤井製桶所に行って、技術を学んできました。
現場で必死に技を習得していくメンバーはまさに勇士でした。
応援したいという思いのあまり、私も2日目から見学させていただきました。
——————————————————–
箍(たが)を用意する
——————————————————–

この細長いものが『箍(たが)』の元。『箍』とは醤油の木桶の周りを縛っているものです。
山で真竹を割って運んできます。

当然ながら、割っただけでは節があったり側面が角張っています。

そこで、節と角を削って落とします。
この作業は雪が降る日も、真夏でも外で黙々と行わなければなりません。
「この現場は3Kが揃っているよ」と、そっと囁かれました。
——————————————————–
側板を用意し、合わせていく
——————————————————–

削り…

徹底的に更に削ります。
ムラがあると雑菌が入り込む可能性もあるからです。

昔は、このような道具を使っていました。
桶の大きさによって丸みが違います。

側板を竹釘を使って合わせていきます。
このことをおもしろいことに『正直』と言います。
なぜなのかはわかりません。
もしかしたら、力加減や木の扱いなど、いかにこの作業にまっすぐに向き合うかが問われる難しい作業だからかもしれません。
正円になるように調整ながら、大きな木をピタっと合わせるか…。見てる私も息を飲みます。

側面に好きなメッセージを書きます。

恐れ多くも、私も書かせていただきました。
ただ、この桶が解体されるのは100年以上後のこと。
もう二度とこのメッセージを見ることはないのです。

さぁ、もう少しで円になります。
この幅ぴったりに収めなくてはなりません。これがまた難しい!

さぁいよいよ!
当たり前ながら、木の大きさも癖もそれぞれ違います。
なのになぜぴたっと円になるのか…。不思議でなりません。

仮止めをします。ググググ…。

お、桶の形になってきました!

上から覗いてみました。気持ちいいくらいにピタッと合っています。

転がして横から。

底が平になるように削っていきます。
——————————————————–
箍(たが)をはめる
——————————————————–

あたり竹で計ります。
巻き尺は伸びて嘘を言うので基本的には使いません。

そしていよいよ…

編みやすくする為に踏みます

ええっと…。どの様に編むかは解説できない職人技の世界になるので、動画で一部をご覧ください。

その編んだ竹で竹で作った芯をくるみます。

そして、はめていきます。

予めきつめに作った箍を、少し緩めます。

水をまいて…

叩きおろします!
3人、もしくは4人ひと組。
一番左側の方に合わせて一気に振り下ろします。
打つ時の構えもそれぞれ違っていたらムラが出るので揃えます。
メンバー曰く、この作業が一番きつかったそうです。

これは底板。桶の底になります。
これを楕円形にカットして、桶の口から中に入れます。

「やいそれもーやんさー」ドスン!
桶の中に1人いる調子取りが下から重しを持ち上げながら仕事歌を歌い、上の2人も仕事歌を歌っては、重しを上げて下ろします。
楕円だった底板も不思議と正円となり、ぴたっとはまっています。

うまくはまった時は、叩くと太鼓のように芯のある音を響かせます。
底入れが桶造りの最後の作業。
さぁ、これから小豆島に帰って、小豆島の環境の中で練習していきます。
うまくいく。じっと現場に立ち会い、そう確信しました。

kelly