醤油の魔術師「レストラン香松」
「もう、醤油も諸味(もろみ)も欠かせない隠し味です」
高松で昭和27年(1952年)から60年余続く、フランス料理「レストラン香松」の香川料理長が力強くおっしゃいました。
この日も
「シャラン産鴨モモ肉とフォアグラのテリーヌ」に、ヤマロク醤油の二段仕込み醤油「鶴醤」が練り込まれ、
「ホワイトアスパラガスのグラタン」には、正金醤油の添加物一切なしの「諸味」が使われていました。
(正金醤油の「諸味」は、木桶の中で3年熟成された諸味を、ヤマサン醤油がゴミの混入を念入りにチェックしたもの。風味は桶の中の諸味のまま、安心安全な品です。)
「レストラン香松」は香川で最も老舗のレストラン。何人もの美食家が通い、賞賛しています。
店舗内の空間はとてもゆったりとしていて、いつまでも心が満ちていきます。
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香川料理長と初めて出会ったのは昨年の7月。
お箸で気軽に食べることで、美味しさを感じられるフランス料理も試みたいと、醤油に目を向けてくださいました。
繋いでくださったのは、香川で意識高い方が最も愛用する「春日水神市場」の津國浩さん。香川で醤油を使うならばと繋いでいただきました。ありがたい!
それも、ただ“醤油を取り寄せて試作して提供”するのではありません。イメージが一致した醤油で試作をし、納得したソースが出来上がった時「小豆島のお醤油屋さんにも、醤油はこんなに可能性を秘めていると体感していただきたい」と双方の勉強会を提案してくださいました。
小豆島までお越しくださり、集まってくださった島内のお醤油屋さんたちに丁寧に想いを伝える香川さん。
集まって話を聞いている段階は、「?」という雰囲気でしたが、実際に味わって一変!「予想外!」「こんな美味しいソースになるなんて!」
何にでも使える「醤油」で、数えきれないほどの加工調味料を開発したり、醤油を使った様々な美味しい食を意識的に口にしてきた方々も、まだまだ可能性があることを実感なさっていました。
醤油蔵の方々を唸らせてから半年以上。
その時々の素晴らしい食材と常にマッチングを繰り返し、いろんな美味しさを提供し続けている香松。次に行くときは、どんな醤油を使った知らない美味しさに出会えるのだろうかと気持ちが華やぎます。
kelly