きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

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島での出会い, 食材をみつける

ポーランド人からみた醤油造り


先日、ポーランド人・Kasiaさんがお越しくださいました。
これまでも、外国人を通訳付きで案内することは何度がありましたが、Kasiaさんの情熱は来る前からダントツ。私も気合いが入り、言葉が交わせない分一つ一つの反応に注力を注ぎます。

そう、Kasiaさんの言葉はポーランド語。私の言葉は日本語なので、通訳が必要。かつ「麹」「木桶」など、日本固有のものをいかにして伝えるか…。ポーランドのことは、私も知らないし…。不安と期待が混じります。

さて、結果どうだったか。言葉は交わせなくとも、見るからに以下の5つに、特に反応していました。
Kasiaさんが反応すると新鮮に映りますが、実は反応するポイントは、日本人も同じです。

(1)魅惑の麹造り

湿度や時間や温度や量、麹菌や酵素の話に目を丸くしながら何度も中を覗き込むKasiaさん。質問が繰り返されていました。
と、当時に通訳のAndrewさんも理解するのも、ポーランド語に通訳するのも難易度が高くて必死。「納豆作っている感じ?」似ているけど、そう!とも言えず…。日本組も必死。どれくらい伝わっただろう?

(2)機械か手づくりか

「手づくり」を求めている様子のKasiaさんは、機械が並ぶ麹造りの現場を見た瞬間、今日紹介してもらう醤油は機械で作られているのか手づくりなのか尋ねました。うーん、その分類となると、麹造りは機械で、その後のもろみ蔵は手づくり。で、できた醤油は「手づくり」の醤油に分類される。が、そのことをどう伝えれば?通訳の方に伝えても「うーーん…」と。ですよね。そして、やっぱり「手づくり」に人は惹かれるんですね。

(3)天然醸造は仕込み期間が長い。またその期間の違い。

桶仕込の現場を見て、どれくらい置くのか尋ね、1年〜3年という答えに「長い!そんなに置くの?」と驚くKasiaさん。またその1年から3年という違いに興味津々。説明するとすんなりと納得。この段階になると海外の発酵・熟成と重ね合わせることができるからか解釈がスムーズ。

(4)天然醸造の濃口と再仕込醤油がおいしい

味見したいという要望に正金醤油さんが快く応えてくれました。濃口・淡口・再仕込。さてどれが一番好まれたでしょうか?答えは再仕込。味わった後、満面の笑みでグーのポーズをしていました。2番目好みは濃口。大手の醤油と全然違うと喜んでいました。これまで私が海外の方に味わってもらった時も、濃い味を好む人がほとんど。むしろソースが好きだったり。今回もやっぱり。気に入ってもらえてホッ。

(5)何より気持ちが籠っているのがいい

醤油のこと、伝わりましたか?と尋ねると「来る前に、醤油の一通りの知識は入れてきました。でも、実際に現場でみると伝わり方が違います。こういうことか!と、ワクワクしながら見ていました。何より、木桶で手をかけて造る職人さんは、気持ちの入り方が違うと。それがいい!って思いました」とKasiaさん。

興味をもって、わざわざポーランドから来てくれることが嬉しい。
言葉は通じなくとも、心は通じたはず。
今回の取材は、「食」と「旅」の2冊の本に書かれるらしい。
国境を越えていいものがいいと伝わっていく。
こうして、残すものがのこり、進化するところが進化していく。
Kasiaさん、ありがとうございます。

kelly