きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

小豆島で輝く女性の「きれいなもの」がいっぱい!

10月, 島での出会い, 手料理しました,

作ってみよう!芋の蔓の佃煮

芋の茎の佃煮芋の蔓の佃煮が、こんなに美味しいとは思っていませんでした。

小豆島の佃煮は戦後『芋の蔓』を炊くことから始まりました。”とは、小豆島の佃煮を語る上で欠かせないセリフ。戦後の食糧難の時期に傍にあった醤油と佃煮で保存食を作ろうとしたのです。
じゃあ小豆島の佃煮の原点である『芋の蔓の佃煮』がどんどん売り出ているかと言われれば、そんなことは全くなく、ほんの一部で奉られながらおしとやかに販売されているのみ。

昔はあちこちで炊かれていたのであれば、『家庭の味の芋の蔓の佃煮』が食べたい!だれかー。と、長年想いを寄せていたら食卓に出てきました。
「これ、食べてみ!何かわかる?」と母が楽しげにいうので食べてみたら
「フキ?いや、この時期にフキはないかぁ。………もしや芋の蔓??めちゃ美味しいやん」

聞けば、作っているのは佃煮屋さんでも何でもなく、定年後の方が家で作っているとのこと。家でこんな美味しい芋の蔓の佃煮が炊けるなんて!!
一人で盛り上がり、結局図々しくもその方の家に行かせていただくことに。

————–とある、10月末にご訪問——————

『佃煮を炊く人」=男性ばかりなので、男性かと思っていたら60代の素敵な小豆島ガールでした。そっか、今回の佃煮は家庭料理ですものね。

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味付け
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芋の茎の佃煮

「いつもは感覚で作っているからレシピはないんよー。けど、あなたがわざわざ芋の蔓の佃煮の作り方を見にきてくれるから、レシピを作ってみたわ!」と、ハツラツとした奥様。とっても気持ちのいい方です。

「まずは、鍋に醤油おたま4と味醂おたま4ね。そして砂糖はおたま2。後はかつおだしの素と味の素。」
………おたま。そっか、佃煮には調味料がたっぷりいるのでした!大さじではないです、おたまです!『おたま』が気になる方は、ひとまず醤油2:味醂2:砂糖1と覚えていたらいいでしょう。
味付けを先に鍋に入れてあっためます。

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材料加工
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芋の茎
「じゃあ作るよー。まずは芋の茎を切る!」ドン!!
「この万能ばさみで葉っぱと根っこを切り落として、茎を等分割してね。」
芋の茎
チョキチョキ
芋の茎
チョキチョキ…。切っても切っても次々追加されていく。
「いっぱりありますねー。芋を育てているんですか?」
「私じゃなくて周りの人。私が芋の蔓を炊いては近所の方に配っているから、いろんな方が『芋の蔓を取りにおいで』って連絡がくるからまだまだあるわよー。これでも昨日も2鍋分炊いたからかなり減ってるのよ。」
ご近所の方々との関係性がなんて素晴らしいのでしょう。
芋の茎の皮「ちなみに、こんなふうに皮を剥くって人もいるけど、剥くのはすごく大変なんや。剥かなくても美味しい方法がわかってからは剥いてない」おー、それは大切な技。

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下処理
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芋の茎の佃煮 下茹で
芋の茎を洗って鍋に入れ、ひたひたに水を入れて塩も加えて茹でます。
「持った時に柔らかく曲がったらOK」その言葉を元に何度も持ってみます。
『まだ曲がらんなぁ』『曲がるけど固い芯があるなぁ』熱いのを我慢して何度も曲げてみる。
芋の茎
「あ!いい感じです」

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炊く
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「焦げないように鍋にごま油を塗るんや。私はいつもは土鍋を使うん。土鍋ならば塗らなくても大丈夫やで」
芋の茎の佃煮
ドサドサっと芋の蔓を入れ、調味料を注ぎます。湧きそうになったら火を弱めてひたすら煮詰めていきます。
芋の茎の佃煮
いい香りが♪まだかな…。
芋の茎の佃煮
まだかな…(奥様の愛犬登場)

「つまんでみて、美味しいなぁと思ったら、胡麻をふりかけてできあがり。調味料は少ないかな〜くらいにして、味見してもの足りんかったら足すんで。もし濃すぎたらどうしようもないからな。」
何度もつまみ食いを楽しみ、無事完成しました!うまい!
芋の茎の佃煮

うん、これは簡単!これから、芋の蔓がいらないって方からもらって炊きたい!

「もし食べきれんかったら、袋に小分けしてぺったんこにして冷凍庫に保存しとったらええよ。まぁ、おばちゃんの場合はみんなにお裾分けするから冷凍庫に入っとらんけど」と、豪快に笑う奥様。素敵です。

ちなみに、今回の作り方はこちらの奥様が自ら試行錯誤してたどり着いた作り方だそうです。
そんな作り方を気前良く教えていただけるなんて!ありがとうございます!

kelly