きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

小豆島で輝く女性の「きれいなもの」がいっぱい!

島仕事, 食材をみつける

島生まれの美味しさを支える鰹節屋さん


「この辺りにお醤油屋さんが多いんだったら、鰹節を削るところがあったらいいんじゃと思ってね」。島内唯一の鰹節屋「宮谷商店」の宮谷さんが飾り気なく笑う。

醤の郷
醤の郷」と呼ばれるこの土地は、「醤油」が暮らしの要を400年以上も担ってきました。そして、できた醤油を使った「佃煮」「だし」「ポン酢」などの多種多様な加工品を作る際、欠かせないのが「鰹節」。加工産業が盛んになる戦後より、醤油屋さんは宮谷さんと共にお客様の満足度を高めてきました。


お腹がぐぅーとなりそうないい香り漂う宮谷商店さんにたどり着いと、「今蒸し上がって」とザルいっぱいの鰹節が湯気を上げながら運ばれていきました。鰹節と言えばあの固く乾燥した塊のイメージしかなかった私にとって、その図は圧巻。

宮谷商店
持ってくる元に目にやると、極上の肉まんが蒸し上がっているような雰囲気の中で「鰹節」が蒸されていました。

宮谷商店
その手前でせっせとすすがれているのは「ソウダガツオ」。「これは関東の人に支持されてね。関西では…」と宮谷さん。「そっか、一口に『鰹節』と言っても全国の地域性や嗜好性に合わして変えてるんですね」醤の郷から生まれる品が、いかに全国の食卓を支えていることを物語っていました。

宮谷商店
蒸し上がった鰹節が冷めたらいよいよ削ります。通常の家庭は必要分だけを湿られて削るのですが、こちらでは丸ごと削りきります。カチカチのイメージしかなかった鰹節が一瞬にしてふわふわに。いやぁ、見てて気持ちがいい。

「やっぱり削りたての鰹節を使うと風味がいいんですよ」ご近所の醤油屋「正金醤油」の藤井さんは言います。
「島のいろんな醤油屋さんが使ってくれよる。マルキンさんにもよく届けよるよ」
大手醤油屋さんまでもが、ちゃんと削りたてを使っていたとは。

醤油屋さんが密集しているから鰹節屋さんも極められ、削りたての鰹節が届くから美味しい調味料を作ることができる。
島生まれのおいしさの秘訣はここあり。なお、現在34歳の息子さん(朗報!独身!)が帰ってきて親子二人三脚でこれからを歩んでいます。これからの島生まれの美味しさに、ますますのご期待あれ。

kelly