きれいなものを、みつけに ー小豆島ガールー

小豆島で輝く女性の「きれいなもの」がいっぱい!

食材をみつける

小麦・大豆アレルギーの方も安心「そら豆醤油」

高橋商店 高橋さん
「『そら豆醤油』ってあるんだ!」ずらりと並ぶ醤油の中で、ひときは目を引く醤油。
多くは珍しさからですが、「そら豆だけ?」とグッと踏み込んだ姿勢で尋ねる人がいると「お!」と、嬉しくなります。
「そら豆と塩だけでできています。大豆も小麦も使っていませんよ」と私が答えると、「実は小麦のアレルギーで」などとアレルギーの悩みを伺い、ほころんだ笑顔で話が続きます。

そら豆醤油の材料「そら豆」
原材料のそら豆。丁寧に大きさを分けて加工しています

この「そら豆醤油」は、通常の醤油の原料となる「大豆」と「小麦」にアレルギー反応を起こす人のために開発されました。ことの始まりは、平成14年に「大豆と小麦を使わない醤油ができない?」と嘉永5年から続く老舗の醤油屋「高橋商店」の高橋さんに要望があったことから。


平成18年1月の写真

そして相談を受けてから4年経過した平成18年1月。何気なく私が高橋さんに会いに行くと「アレルギーの人向けの『そら豆醤油』の試作品ができたんや」と試作品を味わせてくれました。いつもの柔らかな笑顔の目元に少し力が入り、改めて姿勢を正して静かに説明する様子は「いよいよ」という喜びと、開発が簡単ではなかったことを物語っていました。

そら豆醤油の麹
「小豆島にある発酵食品研究所も頑張ってくれてな。米にごまにあずき、そら豆やはとむぎやトウモロコシとか、10種類の穀物で試したんや。その中から最も一番醤油の味に近く、一番アレルギーを起こしにくい、『そら豆』に決まったんや」大豆や小麦以外の穀物で醤油のようなものを造ることはできるけれど、非常に淡白な味であることが多いのです。一方、「そら豆醤油」の成分は、大豆と小麦でできた醤油と似ているため、言われなければ通常の醤油と違うことに気づかないほど。

「今まで、何でも普通においしく食べてきたけど…そら豆醤油に関わって、たくさんのアレルギーの方々が、ツライ思いをしていることを知りました。“当たり前に食べられるのが、当たり前ではない”と、いうこと。“もっと食べられることに感謝する”と、いうこと。そら豆醤油は、これからも私に、すべての人に、たくさん教えてくれる存在となりそうです。」と高橋さんが4年間を振り返って、販売当時のブログに綴った想いは、「そら豆醤油」の価値そのもの。

小豆島にあるそら豆農園
高橋さんに賛同した小豆島内のそら豆農園
小豆島中から集まったそら豆
小豆島中から集まったそら豆

無事2006年3月から販売開始された「そら豆醤油」は、年々買い求める人が増え続けています。更に当初は中国産のそら豆を用いることで価格を押させていましたが、国産の材料でやってほしいという要望を受け、19年から小豆島の農家にそら豆を育てていただき、23年3月から「小豆島産そら豆で作ったそら豆醤油」を販売開始。ポン酢や佃煮へも展開し、今日もアレルギーの方の「美味しい!」を支え続けています。

kelly